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【寄稿】Webでのブランディングによる効果とメリット・デメリットをプロが解説

【寄稿】Webでのブランディングによる効果とメリット・デメリットをプロが解説

代表辻原がWeb幹事さまに寄稿させていただきました。 
 >> Web幹事さまでの記事はこちら

「これからはブランディングが重要だ」と会議で声は上がるものの、「どうやったらいのかわからない」と後回しにされてしまいがちなブランディング施策。その原因は「ブランディング」という取り組みの定義の曖昧さ、扱いの難しさにあります。「結局、売り上げや利益は上がるのか?」
という問いに対し、答えに困ってしまうという人が多いというのが実情ではないでしょうか。本記事では「戦略的ブランディングの必要性」から「Webでのブランディングによる効果とメリット・デメリット」「自社に導入するためのステップ」までを、経営者様及び担当者様向けにご紹介いたします。

貴社のWebブランディング施策のご参考になりますと幸いです。

そもそも、ブランド/ブランディングとは?そのメリットは?

ブランディング、ブランディング…とよくビジネスシーンで耳にしますが、それは一体何を示すものでしょうか?「ブランド」の起源が自社牧場の家畜を隣接する牧場のものと識別するための「焼印」であったことは有名な話ですが、時代とともにその役割や活用方法は変化しています。まずは、アメリカのマーケティング協会の定義を引用してみましょう。

つまり、ブランディングとは「自社の製品あるいはサービスを他社と識別させることによって、自社の経営や事業活動の優位性を獲得し、促進するための取り組みや働きかけ」であると言うことができます。
競合優位性の獲得とともに、価格競争からの脱却を促し、自社事業にとってよりよい環境を育み「ヒト・モノ・カネ・情報」の好循環を作ることこそがブランディングの大きな目的でありブランディング施策のメリットであると定義できます。

ブランディングが企業活動に与える様々な影響

しかし、現代においてブランディングを「付加価値をつけて消費者や事業リソースを囲い込む活動」という端的な意味で捉えてしまうことは少々危険です。消費者のニーズが急速に変化する現代において、リソースは「囲い込み・溜め込むもの」ではなく「適宜収集し活用・運用するもの」へ変化しつつあります。


競合優位性と効率性を重視する20世紀的経営モデルから、多様なリソースを収集し活用・運用しながら知的創造を重視する21世紀型の経営モデルへの変化へ。この変化は経営モデルのみに留まらず、「企業と社員」「社員と顧客」「顧客とサービス」「顧客と企業」など、企業の経営・事業活動に関わる様々な人との関係性へも影響を及ぼしています。

ブランディングは企業活動に関わる様々なステークホルダーとの「適切な関係性設計」

企業の経営・事業活動と人との関わりを切り離すことはできません。
私たちは一個人として常に多くの人と関係しながら働き、サプライヤーとして自社事業やサービスを運営し、またユーザーとして外部のサービスを受けています。ここでは、その中で関わる様々な人々を「ステークホルダー」と呼びます。

ブランディングとは「自社の製品あるいはサービスを他社と識別させることによって、自社の経営や事業活動の優位性を獲得・促進するための取り組みや働きかけ」であり、そのメリットは「競合優位性の獲得とともに、価格競争からの脱却を促し自社の事業にとってよりよい環境を育み「ヒト・モノ・カネ・情報」の好循環を作ること」であると上述しましたが、果たしてそれはどのように達成されるものでしょうか?

答えはとてもシンプル、様々な「ステークホルダー」と「好循環を生む関係構築を促す」がその答えになります。

変化スピードの速い現代において、自社の経営・事業活動に関わる様々なステークホルダーとのコミュニケーションは経営上の大きな課題です。
コミュニケーションの内容についても、直接的なメリットを提供して関係性を求めるものから、Mission-Vision-Valueなど企業やサービス独自の哲学を提示し共感させ支援を促すものまで、その振れ幅や強度も様々です。

さらに、時代によって変化する思想や感情を敏感に感じ取り、企業が発信するメッセージ自体もチューニングやアップデートを重ね、適切なコミュニケーションを導く必要があります。

コーポレートブランディングにおいて検討されるのは、下記の主な4つのステークホルダーです。

  • ステークホルダー①インナー(=社員、株主)
  • ステークホルダー②近いアウター(=顧客)
  • ステークホルダー③遠いアウター(=ファン)
  • ステークホルダー④ソーシャル(=ファンの外側)

しかし、ここでの関わるべきステークホルダーは経営戦略とともに変化する場合があります。
例として「一般消費者向けに家庭用家電を製造販売しているビジネスモデル」を考えてみましょう。たとえば従来の社内での研究開発によって製品を製造販売してきた企業が、「オープンイノベーションによる共創」と変更する戦略を取る場合は、下記のような変化が想定されます。

つまり、現代において必要なブランディングとは「自社および自社事業推進において、重要なステークホルダーと適切な関係性を構築する」ことにより、「競合優位性の獲得とともに、価格競争からの脱却を促し自社の事業にとってよりよい環境を育み「ヒト・モノ・カネ・情報」の好循環を作ること」だと私たちは考えています。

Web上でのブランディングを強化すべき理由

ここまで、現代に求められているブランディングの概念についてご説明させていただきました。
ここからはWeb上でのブランディングについてご説明させていただきます。

「ブランディング施策を…」というとき、具体的な施策として上がりがちな「古くなってしまった自社コーポレートサイトのリニューアル」。
もっとスマートに格好良くしたいなど見た目の改善のみに主眼に置かれてしまうケースが多いです。
しかしサイトの見た目を変えて「よく見せる」だけでは、適切なブランディング施策とは言えません。上述した通り、サイトを閲覧する様々なステークホルダーとの「好循環を生む関係構築を促す」には「どう見せるか」に加え「どう伝えるか」までを含めた設計が必要です。

そのため、Webブランディングでまず重視するのはその企業のMission-Vision-Valueなどを軸としコンセプトを明確にすることです。
その後、コミュニケーションメッセージやを「言葉として表現」します。
次にそのメッセージやコンセプトに「見た目」をつけていき、総体としての「コーポレートアイデンティティ」を確立し、ユーザージャーニーに基づいた「情報設計」…そのようなフローを経て、ブランディングを確立するためのWebサイトを構築することができます。

では、このように大変な手間をかけてでもWeb上でのブランディングを強化すべき理由とはどのようなものでしょうか?そのメリットとデメリットについて見ていきましょう。

Webは最高の営業マン

たとえばWebの持つ営業的側面を代替手段の「営業マン」と比較してみしょう。
当たり前のようですが、Webサイトは24時間・世界中のどこからでもアクセスが可能です。しかし営業人材は1日8時間労働で、遠く離れた場所に一瞬で飛んでいくことはできません。

また、営業人材が交渉相手に伝えるのは自身が持っている「加工された会社の情報」です。これはその人のスキルにもよって一次情報よりも良くなったり劣化したりしますが、Webサイトでは、いつどこからアクセスしても伝達情報に劣化がなく、伝えたいことをまっすぐに閲覧者に届けることができます。
加えてWebサイトはインバウンドセールス・アウトバンドセールスにも対応することができ、むしろwwwに乗せなければ「自社情報を届けられない人が多い」という点で現代の事業推進においてはやるか・やらないかの議論自体が無駄であるかのようにも思われます。

Webブランディグのメリット

さらにWebサイトにおけるブランディングのメリットとして、開始ハードルが低いことが挙げられます。会社のロゴなど既存のコーポレートアイデンティティを変更するには大きなコストを必要としますが、Webサイトなどの「コミュニケーションツール」の場合は、既存のロゴやデザインアセットを生かしながら展開が可能です。

また、Webサイトであればアクセス解析可能などにより即時性を確認できるため数字による効果を実感しやすく、またその数字により改善や育成が可能なこともWebサイトにおけるブランディング実施のメリットであるといえます。

さらに改善を前提としたWebサイトのリニューアルであれば、現在の課題を取り除きブランディングを達成するというゴールを設けることでよりよい改善プロジェクトにすることが可能です。

Webブランディングのデメリットや難点

Webサイトにおけるブランディングはメリットだけでしょうか?
数年指摘されているように、Webを活用した施策はユーザー個人のITリテラシーを無視することはできません。当然ながらスマートフォンなどのインターネットデバイスを持っていないユーザーやFAXなどが健在活用されている旧来型の事業者へは以前リーチし難いことは言うまでもありません。

さらに、メリットで挙げたように既存のデザインアセット(ロゴ、サービス、店舗デザイン、ほかツール)などとの整合性を無視したWebサイトは結果的に悪影響になる場合が多いため、厳重なディレクションを必要とします。

加えて、Webサイトの改善や運用に多くの人が関わる場合、デザインのルールやブランドが崩れやすことも念頭に置き設計をする必要があります。その点難易度は低くなく、運営のために定期的なメンテナンスも必要とされるため、コスト面に多少の負荷が求めれることもあります。

よいブランディングプロジェクトを

しかし「これらのデメリットを考慮してもその必要は大きい」とお考えであれば、迷うことなく取り組む価値のあるプロジェクトです。
ブランディングのプロセスは決して容易なものではありませんが、自社を取り巻く様々なステークホルダーとの対話から、これまで見えなかったものが多く洗い出されることも多く、経営や事業推進にとって貴重な機会になるはずです。
自社や自社事業の理想的な成長と、ステークホルダーとの好循環を生む関係構築のため、よいブランディングプロジェクトが進められることを願っています。

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