STUDY_DESIGN&Business#02

前回のSTUDYに続く、#02として考えていきたい。

>> #01:http://ily.today/study_designbusiness01/
今回は「デザイン経営」における「経営」にフォーカスする。同じくいくつかの記事を引用しながら断片的な思考にアウトラインを求めて行く。#01では「デザインをビジネスに生かすとはどういうことか」を中心に議論を進めたが、#02では「デザイン経営」を軸に考えていきたいと思う。

 

デザイン経営について

まずは「デザイン経営」についてを定義していくが、そのためにはまず「デザイン」についての定義を行っておこう。何度も言うようであるが、デザインという語は人によりいくつかの意味を発生させる。おおよそ受け入れられやすい定義として私たちが用いるのは、大文字のDESIGNを広義の「設計」とし、小文字のdesignを狭義の「見目の美しさ」とするものだ。そしてそれぞれの関係について、これまで用いてきた図では共有要素で表していたが、改めて下記のように部分集合として表したい。designDESIGNである。

これは個人的な理解であるが「人間中心設計」とはこの大きな円の中心に「ヒト」を置くものである。 そこから広く「ヒト」を環境の一部として俯瞰し広さと高さを求め設計するのがDESIGNの仕事である。そしてdesignの仕事とはその「ヒト」を「個人」化し、その個人の知覚に対し働きかける全てを設計し深さを求めるものである。それは下記のように表現することができる。

このような形で表現すると、扱う領域は同じものであることがわかるだろう。同じく、そこで求められるスペスシャリティが異なることもわかる。DESIGNERとは広さと高さを作り外部環境をあらゆる面で接続するスペシャリストであり、designerとはその人を注意深く観察し適切な認知を作り表現するスペシャリストである。

ではその上で「デザイン経営」について考えてみたい。

 

「デザイン経営」の定義と実践」/ ITmediahttp://blogs.itmedia.co.jp/business20/2018/05/post_1944.html

ここでも#01に取り上げた経済産業省・特許庁の「デザイン経営宣言」が取り上げられている。

「デザイン経営」とは、デザインを企業価値向上のための重要な経営資源として活⽤する経営であり、デザインを重要な経営資源として活⽤し、ブランド⼒とイノベーション⼒を向上させる経営の姿でであるとしています。

ここで具体的に言及されているデザインの役割は「ブランド力」と「イノベーション力」である。ブランド力とはその目的から紐解くと「競合優位性」であり、イノベーション力とは広義での「新機軸の獲得」という意味である。これらは「経営」という仕事の一側面を言い表しただけにすぎないと理解しながら、他の記事も見てみたいと思う。

 

濱口秀司氏が語る、経営にインパクトを与える「3つのデザイン」と「顧客の価値認知モデル」/ BizZinehttps://bizzine.jp/article/detail/1999

濱口氏は今回、経営にインパクトを与える「デザイン」を、「意匠(プロダクトデザイン)」、「設計(ビジネスデザイン)」、「思考(インプルーブメント)」の3つに分解した上で、「意匠」「設計」に関して、イノベーションの定義も交えて解説した。この2つを一定の手法にしたがってドライブすれば、イノベーションを導ける可能性は高まるという。

ここでは逆に「経営」にインパクトを与えるデザインを3つ定義している。

意匠/product design
設計/business DESIGN
思考/improvement

このように表すと、上の図にマッチする。
意匠は小文字のdesign、設計とは大文字のDESIGN。では思考とは一体どういったデザインだろうか?弧書きの注釈がその理解の手助けをしてくれる。improvementとは「改良・改善・進歩・上達」の意であるので、「経営をドライブさせるための意思・思想」と考えることができるだろう。

そしてさらに「経営」という語もデザインと同じくいくつかの語義を持つ。マネジメントと経営も正確には表すことろが異なるだろう。この違いについては参照するにもなかなかソースが多いため個人的な見解とさせてもらうが、「経営」の目的とは「顧客創造のためのリソースの最適な再配分」であり、「マネジメント」の目的とはその「再配分のための最適な組織運用と管理」である。これまで出た要素の関係図は下記の通りになる。思考は個人の営みだが、設計からは組織的な営みとすることでバリューを拡張させていく。組織にマネジメントが必要になるのはこのためである。

ここでさらに新しい概念として「よい経営」について考えたい。(というのも「デザイン経営」という名目でデザインを経営に持ち込むからには「経営」が「よくなる」という前提のもとである)

よい経営とは前述した「顧客創造のためのリソースの最適な再配分」の価値をより高く・多くし、その再配分の先をより広範囲にしていくものである。図にすると下記のようになるだろう。

「よい経営」においては、経営という再配分プロセスのいくつかのフェーズにおいて「副次生産」が発生する。それぞれのフェーズに携わる「人」あるいは「仕組み」がそこで配分されたものを「消費」するだけでなく「生産」までを行うのである。それが一次リソースをさらに強化し、それがまたさらに再配分されていくという価値の再配分エコシステムを生み出すのだ。

最後に、数多あるドラッガーの言葉のうち、個人的にもっとも好きなものを挙げておきたい。

経営の本質は、知識を役に立つものにすることです。
言い換えれば、経営は社会的な機能なのです。

さて、#02はここまでにして、次はその「よい経営」を目指すための「デザイン組織」について考えてみたい。

 

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