グッドアフタヌーン、ILY.メンバーの増田と申します!
先月開催したミニSESSION [Designと楽しい夜]をレポートいたします!

【ILY. SESSIONとは】

「デザイン」という言葉が示す領域は拡大し続け、デザインはビジネスに不可欠なスキルとなりつつあります。

私たちILY.がデザインエージェンシーとして最も重要だと考えるのは、小手先ではなく本質的で人間中心設計によるソリューションです。それらは決して閉ざされた専門領域内で生み出されるものではなく、ありとあらゆる領域を縦横無尽に点と点を結びながら最適解を手繰るような営みです。

ILY.-SESSIONは私たちが目指す領域横断的な知識や思考により豊かなデザインを実現するための相互学習プログラムとしてテーマを大きく3分類し、社内外向けに開催します。

【ILY. SESSION Theme】

  1. DESIGN&BUSINESS
  2. ART&HISTORY
  3. SCIENCE&TECHNOLOGY

(0)開催概要

#5-2[Designと楽しい夜]

開催日時:2017年9月29日 19:00
場所:ILY.新オフィス
内容:デザインを肴に盛り上がる素敵な夜 -ブランディングからデザイン思考まで-

 

(1)ハイボールで乾杯

恒例のハイボール片手にsessionスタート。
8月末に移転したILY. 新オフィスのお披露目も兼ねて開催した今回ですが、12名の方々に参加いただき、タイトル通りわいわい楽しい夜になりました!

 

(2)楽しい夜トピック1/最近あった面白い話

まずはアイスブレイクとして、最近あった面白い話大会をしました。
突然の無茶振りにも関わらず、なんと参加者全員がおもしろ保持者だったことが発覚しました。その抱腹絶倒極まりないエピソード達は、今回涙を飲んでご紹介を割愛いたします。

 

(3)楽しい夜トピック2/Designおもしろ話

場も温まったところで本戦突入です。
今回のテーマは「Design」です。
見た目のインパクトから機能面に至るまで、あらゆる話題をデザイン的な視点から考察してみました!

参加者のみなさんにも感動的おもしろデザイン話を持ち寄っていただきました。
その中からいくつかをご紹介したいと思います。

 

・Appleの広告

11/3、ついにiPhoneXが発売開始されましたね!
Apple製品のCMはいつだって洗練されていてクールですよね。iPhoneのCMも例外ではありません。しかし皆さまお気づきでしょうか。iPhoneのCMのエンディングでApple社のロゴが表示されたさらにそのあと、携帯会社のロゴが表示されていることに。
これはiPhoneのブランドイメージを保つため、Appleが制作したオリジナルCMをそれぞれの携帯会社が買い取って使用しているそうです。

さらにAppleの広告でもう一つ。街中で見かける美しい風景やかっこいいアーティストを撮った写真を引き伸ばした大きな看板。その写真の下に書かれた「iPhoneで撮影」というメッセージを見たわたしたちは、Appleの広告であると認知する前に、「あんなかっこいい写真をiPhoneで撮りたい!」と感化されるのではないでしょうか。

iPhoneのある日常、iPhoneのあるレジャー、iPhoneのあるクリエイティブなどというように「iPhoneを持つ自分」に憧れを抱かせ、いち早くiPhoneのある生活をしたいと思わせる見せ方。あんな風にかっこいい写真が撮りたいから、iPhoneを持って外に出かけよう!と人々の行動原理を変えてしまうほどの影響力。
Appleが発信する強いブランドイメージと大胆な広告から発信するメッセージは、私たち自身の考えや行動に常に働きかけ、私たちの心を惹きつけて離しません。

 

・集英社 少年ジャンプの広告ジャック

打って変わって、自社コンテンツを運用する例も上がりました。
今年の夏、週刊少年ジャンプの創刊50周年を記念し、ジャンプオールスターズが都内の駅の広告をジャックするという企画がありました。皆さんは何駅コンプリートできましたか?

-少年ジャンプの名作コマ、東京メトロ171駅に。あのキャラのしびれるセリフは……【東西線編・23駅】
http://www.huffingtonpost.jp/2017/07/20/jump-metro_n_17548058.html

都内およそ171駅でこの広告スタンプラリーを展開されたようですが、この広告の特徴は1駅1駅、登場するキャラクターもその内容も違うというところ!
「これぞあの作品」な1コマに、思わずクスッと笑えてしまって「わかる」と共感を呼ぶ地域を特徴付ける場面を切り抜くセンスが光ります。エリアごとの特色を利用したサイトスペシフィックな仕上がりがお見事ですとしか言えません。

心にヒットする作品で年齢がバレるというドキドキな罠が仕掛けてあることも忘れてはいけません。どの時代の少年少女達にも、少年ジャンプが寄り添っていたのですから!

-創刊50周年記念 週刊少年ジャンプ展vol.2
https://shonenjump-ten.com/

 

・展覧会のデザイン
昨年開催されたユニークな展覧会のお話もありました。

-東京都美術館 特別展「ポンピドゥー・センター傑作展 ―ピカソ、マティス、デュシャンからクリストまで―』
http://www.mot-art-museum.jp/exhibition/82.html

パリの中心部に位置するポンピドゥー・センター。その珠玉の近現代美術コレクションから一年ごとに一作家一作品を厳選し、1906年から1977年のタイムラインをたどる展覧会。マティスの油絵の到達点《大きな赤い室内》をはじめ、多彩なラインナップでフランス20世紀美術を一望します。
東京都美術館(http://www.mot-art-museum.jp/exhibition/82.html

この展覧会で特に注目されたのは、新進気鋭の建築家・田根剛さんの斬新な展示デザイン。トリコロールカラーや階段のように波打った壁などで構成された展示室は、ホワイトキューブが主流の現代の美術館において、非常に衝撃的でした!

-田根剛 web site
http://www.at-ta.fr/

展覧会の様子はこちらからご覧いただけます。
-建築家の田根剛が会場構成を務めた「ポンピドゥー・センター傑作展」を語る
https://www.youtube.com/watch?v=Z8xVk3Ep0SI

もともと中世では美術作品はお城や教会など「場」に準拠して制作・設置されていました。ところが作家たちの冒険心や哲学的な好奇心が進むにつれ、作品そのものの性質は変化し、ついに設置場所を選ばない表現が生まれます。
現在では一般的な「ホワイトキューブ」の概念は、作家たちの革新的で多様な表現に呼応するようにおよそ20世紀初頭に発明されました。

しかし今私たちが存在する21世紀において、場所の性質や時間の流れを排除しニュートラル性を追求した装置であるホワイトキューブでの美術鑑賞は窮屈さや退屈さを感じさせるようになってきたのかもしれません。
田根氏が「作品に合わせて壁を作った」ことは、この課題に対する新たな一手ではないでしょうか。

 

・ニッチなブランディング

SNSブームの昨今、「インスタ映え」とは違う切り口で人気を博すパン屋さんのお話です。

-高級「生」食パン専門店「乃が美」
http://nogaminopan.com/

こちらのお店「乃が美」にはたった1種類の食パンだけが並んでいます。しかし着実に人気を呼び込み、現在では全国71店舗の展開を果たしています。

乃が美の凄いところは、食パンの概念を拡張したという点に尽きます。
乃が美の食パンは「生」食パンであるため、焼かずに食べます。そうすることで究極の舌触りが体験できるそうです。
忙しい朝のお供でしかなかった食パンが、独自の食べ方を追求したことによって、それだけでも楽しめる、まるで高級な嗜好品へと昇華されています。

「インスタ映え」するということが飲食業界の1つの価値になってきている中で、「乃が美」が行うデザインは、写真に写らない「究極の贅沢な体験」の届け方にありそうです。

 

・地域の活性化をデザイン
今回の参加者の方の職場であり、高知県にある面白い会社をご紹介いただきました。
「田舎」が抱える社会問題を根本から解決しようとする、高い志を持った企業です。

-土佐ひかりCDM
http://www.tosahikari.co/

第1次産業での大きな問題点は単体事業では『採算をとるのが難しい』ということです。
業者から原材料を高く仕入れ、安く販売するという構造になっています。
この構造は第1次産業全体がかかえる問題であり、産業衰退の大きな原因となっています。
土佐ひかりCDM(http://www.tosahikari.co/

彼らは自社を取り巻く環境の本質的な問題点を捉え、その問題解決のためのシステムを生み出すことで、自社だけでなく周りを取り巻く地域業者のコスト削減に貢献しています。

具体的に事業の柱となるのは、3つの農作物の製造と育成だそうです。
1つ目は、農地の肥やしになり、家畜の餌にもなる肥料です。地域の漁港から出た魚の廃棄部分を自社で発酵させたもので、不要な化学物質は一切含まれておらず、高い栄養価をもっているそうです。

その肥料を農地に撒いてつくる高知の名産品、ニラが2つ目の農作物です。収穫の際、選別されて廃棄になったものは、捨ててしまうのではなく家畜の餌にするそうです。

そして3つ目は、栄養たっぷりの食事と、ストレスのかからない環境で育てられた鶏から採れる卵です。

これら3つが理にかなった生産サイクルを実現しており、さらにそのシステムを構築する1つひとつを価値のあるブランド品として販売することで、産業の再復興を目指しているそうです。

さらに彼らは、農や食に関する教育も重要と考え、大学生が地域や第1次産業の問題に向き合う機会を提供しています。
現場での循環だけでなく、未来へもバトンを繋ごうとしているのです。

地方にこそ、国家的な問題を解決するヒントがある。未来を見据えたデザイン思考は、まさに地面を見つめることからスタートするのだと教えてもらえた気がします。

 

・新しい組織の在り方
「ティール型組織」というものが、次世代的な組織の在り方として注目されています。

-ティール オーガニゼーションとは何なのか
https://organization.design/teal-organization-ティール-オーガニゼーション-とは何なのか-c72441673630

-ティールパラダイムを取り入れる
https://www.infoq.com/jp/news/2017/03/applying-teal-paradigm

提唱者で現代思想家のケン・ウィルバーによれば、人の意識の構造は、およそ5つの階層に分類されていて、それらは色の名前を用いて差別化されています。

5つの階層とは以下の通りです。

上記の5段階の意識階層による組織分類を見てみると、企業などの組織はそれぞれ、意識階層における達成目的(価値観)に沿った関係性がデザインされている、またはデザイン可能であるということに気がつくかと思います。
また、個人や組織は単一の階層に属するわけではなく、ある側面ではレッド型、ある側面ではグリーン型というように、複数の階層が混ざり合った状態なのだそうです。

レッド型からグリーン型までは支配層が存在し、支配層によって最適な組織の形を決定することが出来るのに対し、ティール型の組織は少し違っています。

ティール型の意識階層に到達した組織は、反支配的で、個々人を信頼しあったフラットな関係の上で生じているように感じられます。
肩書きによって支配関係が発生するのではなく、組織が目指す目標や目的のために個人が持つ最適な能力を差し出すことで、常に組織の構造は書き換えられ進化していくと考えられます。

このような組織の在り方が世界全体に広がったなら、もはや組織論には止まらず、より幸福度の高い社会へのステージが拓けるかもしれません。

 

(4)まとめ

最近、こんな一節に出会いました。
「デザイナーとは、あらゆる角度から物事を観察し、本質を見抜くことができる人のこと。発見の天才。」

今回、色々な分野で活動されている参加者の皆さまと様々な思考の切り口があることを共有することができ、改めて世界にはたくさんの課題と発見が転がっていることを知ることができました!
これからも観察眼を鍛えあげて、おもしろを発見し続けていきたいと思います!

最後に、SESSION開催日の直近で誕生日を迎えたILY. メンバーのお祝いをさせて頂きました!
最年少ながらとても頼り甲斐があってパワフルな吉川こと、よっしー!これからもよっしーともども我々ILY. をどうぞよろしくお願いいたします!新オフィスにもどんどん遊びにいらしてくださいね!

 

(5)告知

ILY. では、マーケティング理論をわいわい学ぶ勉強会「イケイケナイト」と、
デザインをうきうき学ぶ勉強会「わくわくモーニング」を不定期で開催中です!
下記にて、これからの予定を少しだけお知らせさせていただきます!

・SESSION #06 「マーケット分析イケイケナイト」
場所:ILY. office

次回開催予定:
vol.06 日程未定 コンサルゲストーク
vol.07 日程未定 みんな気になる本マーケット

どの回からでも参加可能ですよ〜!ご参加お待ちしております!

・デザイン勉強会「わくわくモーニング」
場所:ILY. office

次回開催日未定 朝9:00-10:00

朝からわくわくデザインのお勉強しましょう!
こちらも、どなたでもご参加いただけます!

次回のSESSION #07の開催につきましては、改めてfacebook等でお知らせいたします!お楽しみに!