ジャンボ、ILY.です。

われわれILY.は、3月17日に東京アートフェアに乗り込んできました!今回は強力なアドバイザーとして、アートコーディネーターの今井みはるさんを広島からお招きし、会場でたくさんのブースをまわりながらアートのお話をたくさんお伺いすることができました。

【ILY. SESSIONとは】

「デザイン」という言葉が示す領域は拡大し続け、デザインはビジネスに不可欠なスキルとなりつつあります。私たちILY.がデザインエージェンシーとして最も重要だと考えるのは、小手先ではなく本質的で人間中心設計によるソリューションです。それらは決して閉ざされた専門領域内で生み出されるものではなく、ありとあらゆる領域を縦横無尽に点と点を結びながら最適解を手繰るような営みです。

ILY.-SESSIONは私たちが目指す領域横断的な知識や思考により豊かなデザインを実現するための相互学習プログラムとしてテーマを大きく3分類し、社内外向けに開催します。

【ILY. SESSION Theme】

  1. DESIGN&BUSINESS
  2. ART&HISTORY
  3. SCIENCE&TECHNOLOGY

 

目次

0.開催概要

#04 Art&History 『東京アートフェアに行こう!』
開催日時:2017年3月17日(金)
ゲスト:今井みはるさん(アートコーディネーター、アートギャラリーミヤウチ学芸員)

内容:アートの現場でアートを学んでアートを買おう

1.アートフェアとは?アートフェア東京とは?

[そもそもアートフェアって?]

さまざまなアート・ギャラリーが一同に集まり、作品を展示販売する催し。基本的にはアート作品の売買を目的としているが、アーティストにとっては新作発表の場、コレクターやギャラリストにとってはアート市場の動向を探る情報交換の場、一般客にとっては新しい作品の鑑賞の場として、多角的な側面をもっている。日本では2005年より「アートフェア東京」が開催されている。

【出典】アートスケープ:http://artscape.jp/artword/index.php/%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%95%E3%82%A7%E3%82%A2

 

[アートフェア東京とは]

アートフェア東京は、古美術・工芸から、日本画・近代美術・現代アートまで、幅広い作品のアートが展示されるフェアとして、2005年から開催している、日本最大級の国際的なアートフェアです。

ギャラリーを中心としたアートマーケットのプラットフォームとして様々な領域で、日本のアートシーンの発展に寄与しています。

【出典】アートフェア東京:https://artfairtokyo.com/about

 

2.今回の訪問目的と概要

実は昨年末あたりから、ILY.は現代美術のコレクションをこっそりと開始しています。このたびの東京アートフェア突撃は、そのような弊社の背景のうえで、下記を目的としています!

  • アートフェアで、アートの現状と流行を知ること
  • アートを買う体験をすること
  • ILY.コレクションを増やすこと

訪問日:2017年3月17日(金)

訪問者:ILY. スタッフ4名+今井みはる(アートギャラリーミヤウチ・コーディネーター)
今回、今井さんにレポートの監修と作品選定などのアドバイスをお願いしました。

3.アートフェア東京2017に行ってきたよ

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  • 開催期間:2017年3月16日(木)~19日(日)※16日と17日の午前中は招待者のみ
  • チケット:1DAYパスポート(前売2,300円 / 当日2,800円)※前売でも会場でチケット要交換
  • 出展数:150軒(国内:135軒、海外:15軒)

 

私たちは、一般公開初日の開催初日のチケットをとりました。入場開始13:00に出向きましたが、既に長蛇の列。前売券を買っていても、入場券と引き換えをしなければなりません。

会場は、現代アートを中心に主にプライマリーギャラリーが並ぶ「South Wing」と、古美術から近現代、工芸を扱うセカンダリーギャラリーを中心とした「North Wing」というように、2つのエリアに分かれていました。各ギャラリーは、それぞれブースで分かれています。ちなみにブースの大きさによって、ギャラリー側が主催者に支払う金額も変わります。

フェア開催前夜と初日の午前中までは、招待客のみの入場だったようですが、購入された作品はたくさん。購入作品の近くには赤い丸シール(*1)を貼られることが多いですが、価格リストを見せていただかないとわからないギャラリーもたくさんあります。

基本的には、1つのギャラリーから数名の作家を選出して出品する形態でしたが、「PROJECTS」コーナーでは、今なぜこの作家を紹介したいかということを強調するために、1人の作家のみに焦点をあてていました。私たちも事前に注目をしていたギャラリーがこの「PROJECTS」コーナーで出展されていました。

ゆっくりと作品を鑑賞するという雰囲気ではないため、見たようで見ていない作品がたくさんあることに途中で気づき、会場内を何度も彷徨いました…… 160近くのブースがあり、配布される会場マップを片手に、2~3時間ぐらいでざっくりと見た後に休憩、そして後半2時間ぐらいでもう一度見たいブースを回り、購入を検討していた作品を決めていくという流れでした。4日間の開催で、毎日来られる方もおそらくいらっしゃるのでしょうね~。当日であれば再入場が可能です。

*1:売約済みの作品には赤い丸シールが、購入検討中の作品には青い丸シールが貼られます。

4.気になった作家やギャラリー

[目的のギャラリー]
  • SCAI THE BATHHOUSE
  • 小山登美夫ギャラリー
  • Gallery 38
  • アサクサ
  • S.O.C Satoko Oe Contempporary
  • THE ECHO by SEIBU・SOGO
  • Yoshimi Arts
  • ときの忘れもの
  • MISA SHIN GALLERY
  • HARMAS GALLERY

     

左:館勝生(Yoshimi Arts)、右:ステファニー・クエール(Gallery 38)

[上記以外で、実際見て気になった作家やギャラリー]
  • 吉野もも(THE ECHO by SEIBU・SOGO)
  • エリック・スワーズ(KEN NAKAHASHI)
  • 山岡敏明(ギャラリー・ハシモト)
  • ショナ・トレスコット(ANDO GALLERY)
  • Pe Lang(STANDING PINE)
  • ピンリン・ホワン(日動コンテンポラリーアート)
  • 塚本智也(川田画廊)

吉野もも(THE ECHO by SEIBU・SOGO)

最初に目にとまったのは、「THE ECHO by SEIBU・SOGO」から出品されていた吉野ももさんの作品。一見、立体物に見えますが錯視効果のある完全フラットな絵画作品でした。さらに若い作家さんということもあり、販売価格も10万円前後で、早速購入候補に入れようとしたところ全ての作品が売約済みでした! ちょうど作家さんもおられたので、連絡先交換。新作を扱うプライマリーギャラリーでは、特に若い作家さんの場合、ご本人がフェアの会場におられることも多いです。

その中でも、「スカイ・ザ・バスハウス」(写真)は、ナマモノ(果物やリキュール)や生き物(蛇や昆虫!)を使用した作品で構成されており、ブースの広さからすると比較的作品数も少なく、商品として並べるというより展示として見せるような形態でした。

唯一映像を展示していたギャラリー「アサクサ」は、ブース内に仮設したブラックボックスのような小屋の中で、マイノリティーをテーマにした映像作品3本を上映されており、人混みの中を歩きながらなんとなく目にとまった作品を見るという行為では到底たどり着けない挑戦的な見せ方でした(残念ながら写真を撮り忘れました!)。

古美術から近現代、工芸がメインの「North Wing」エリアに並ぶギャラリーでは、物故作家(既に他界されている作家)の作品も多く同じ作家を複数のギャラリーが扱い出品していたり、現存作家でも著名な作家は10cm四方ぐらいのドローイングが400万円近くの価格がついていたり、美術作品の金額の動き方を垣間見られたように思います。作品は基本価格が下がることがないので、ギャラリーの方が別のギャラリーの作品を購入して、別の機会を狙い、購入価格より高い金額で売ることもあるようです。もちろん個人の方も所蔵作品をギャラリーやコレクターに売ることで、その作品はどんどん高騰していくのです。

その他、リサイクルショップのように額が重ねて立て掛けてあるすごい展示数のギャラリーもあり、掘り出し物を見つけるような楽しさもありました。

「South Wing」では、比較的若手作家の作品も多く、これからの活躍を期待しながら、購入者も先見的な目で作品を選ぶ楽しみもあるでしょう。

ギャラリーの出展ブースだけではなく、公開制作や「東京ガールズコレクション2017 SPRING/SUMMER」とのコラボレーションがあったり、入場無料の地下1階ロビーギャラリーでは、若手アーティストの作品を10万円前後から30万円までの作品を購入できる「スペシャルセクションズ」というブースもあったりと、色々な方を対象にして楽しめる仕掛けが用意されています。

初めてのアートフェア参戦のため、今年の流行など昨年と比較はできませんが、映像作品は1つのギャラリーでしか出品されていない(映像を組み合わせた立体作品は他のギャラリーでありました)ことや、これ誰が買うの? みたいな超巨大なペインティングや彫刻、インスタレーションというものが意外に少ないことが気になりました。アートフェア東京の前身であるNippon International Contemporary Art Fair(NICAF)では、「●千万円!」といった価格設定もあったと聞いています。

5. どんなひとがアートフェアにくるの?

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[昨年の情報]

日本最大級の国際美術市場「アートフェア東京2016」が12日から3日間、東京・有楽町の東京国際フォーラムで開催され、日曜を含まない日程ながら過去最高の5万6300人が来場した。

(出典:http://www.nikkei.com/article/DGKKZO02523840Z10C16A5BC8000/

[どういうひとがアートを買う?]

一般客をはじめ、日本最大のアートフェアで作品などの動向をみる、そして購入するために、同業者、美術関係者も多い。レセプション(パーティー)には、芸能人も呼ばれていたりと豪華な模様。アートフェアはなんといっても最大の主役はギャラリストと言われ、国内のVIPをはじめ、各国のゲストとの交流の場であるはずです。

6. 実際にアートを買ってみました!

[ILY.代表取締役 辻原アートフェアでアートを買うの巻]

実際に作品を購入するという経験をしてみて、わかったこと、知ったことは次の通りです!

 

  • 購入者情報をギャラリーのブースで書いて、代金は後日振込のところが多い
  • 作品は郵送・宅配だったり、配送(近場だったらギャラリーが運んでくれたり)、現金で支払った場合や信頼のある顧客の場合だと、その場で手で持って帰ったりできる
  • 購入検討(商談中)は青シール
  • 売約済みは赤シール(作品近くではなく、価格リストを見せてもらわないとどれが売約済みかわからないギャラリーも多い)

 

 

7. まとめ

初めてのアートフェアでしたが、実際にアートを買ったり今井さんに解説していただきながらブースを巡ったり、積極的に参加できたことで下記のようなことを知ることができました!

  • ILY.コレクションも増えた!
  • 30万円以下で買える若手作家をフューチャーしたコーナーもあったよ
  • ギャラリストといろいろ話しながらまわるとオススメ。作家さんの経歴や、他にどんな作品をつくっているかなど。
  • ギャラリーによっては展示されてない作品も見せてもらえるよ
  • アートを買うのって小難しく考えなくてもだいじょうぶ
  • アートフェアはお買い物感覚でアートを間近で見られる
  • プライスリストを見ながらまわるとアートの相場もわかるし、参加者としてもっと楽しめる

8. アートが届きました!

アートフェアで辻原が購入した作品がILY.オフィスに届きました!

まずは木村充伯さんの作品「出現」を引き取るため、西新宿にあるケンジタキギャラリーにお邪魔しました。ギャラリーのオフィスで梱包された作品を受け取りILY.オフィスへ。オフィス到着と同時にわくわくしながら開梱し、いそいそと飾りました。木のパネルを傷つけて描かれた猫ちゃんの絵画です。

また能條雅由さんの作品「Flicker #4」はGALLERY ART COMPOSITIONのスタッフさんが届けに来てくださいました。見たことのある風景のようで、でもどこか実在しない、揺らいで消えてしまいそうな景色が蛇腹に曲がったアルミ箔の上に描かれている、すこし不思議で繊細な感覚のある作品です。こちらも到着すぐに開梱し、どこに展示しようかとILY.のみんなでたのしく話しました。
現在ILY.オフィスに展示されていますので、ご覧になりたい方はぜひ遊びにいたしてください!

9. 参照・参考記事

  • 日本のアート産業の市場規模はどのくらい?初調査から見えた実態(出典:CINRA.NET、2017/3/13)
  • 「アートフェア東京2017」開幕。今年の傾向、そして課題とは?(出典:WEB版美術手帖、2017/3/17)