ハロー、辻原です。あけましておめでとうございます。

旧年中は大変お世話になりました、本年もどうぞよろしくお願いいたします。

ようやっとILY.も半年になり、辻原のクソジーコ問題も緩和されつつ、ようやっと会社での仕事の回し方が安定してきたように思います。人と一緒に仕事をするっていうのは本当に大変で、フリーランスという働き方なんてよもや人生の夏休みだったんじゃないかとすら感じる最近です。独立してから会社にするまでの1年半、人生の夏休みを経験できて本当に良かったです。お世話になった方々には頭があがりません。厚く感謝しています。

久しぶりにブログをまとめようと思い、メモアプリを開いてもとんと筆が進みません。
辻原は仕事以外でお話しすることが本当に苦手で、プライベートは本当にぼけっとしています。
それでもなんとかデザインのことは考えることができるのように思うので、今回はすこしだけデザインの話をしてみたいと思います。


デザイナーの役割について

これまでの辻原のキャリアはずっとデザイナーという肩書きとともにあって、今年の4月で8年目になります。多分4月からもデザイナーをしているし、多分来年も再来年もデザイナーをしているだろうなと考えています。デザインって楽しい!

デザイナーとしてのキャリア4年目あたりからプランニングやディレクションの業務もやるようになって、しばらく肩書き問題について悩んだりもしたけれど、今のところ自分の仕事を「デザイナー」という言葉以外で説明するのが難しいとすら考えています。うっかり会社の経営もやっているけど、それだって辻原の理解の範囲では「デザイナー」という仕事の範疇になる。
デザインの役割についてはいろんなところで言われているように年々重要性が高まっていて、一口に説明することが難しくなってきているなあと感じています。大きな概念としてのデザイン思考だったりコンサルティング的なことだったり、プランニングだって視野に入るし。もちろんこれまで通りクリエイティブだって、私たちの未来においてはデザインの大事な仕事であり続けるはずだ。
似た領域の仕事に携わっている人であればなんとなく理解してもらえるかもしれないけれど、そういう仕事って理論的に明瞭な部分と非言語的で不明瞭な部分とがある。デザインという仕事においてはその言語領域と非言語領域を、それも高速で行き来しながら思考と制作が進められる。その現場では信じられないような奇跡的な「ジャンプ」が頻繁に起こるんだ。でもそれが一体なんなのかはわからない。私はその瞬間のために仕事をし続けている。その瞬間とはたとえば、りんごの落下を目撃した瞬間にニュートンの脳内で落ちた雷のようなものだ。

私はその奇跡的な瞬間に起こる雷のような「ジャンプ」を起点とする、一連の価値創造・課題解決プロセスを「デザイン」と呼びたいと考えている。世界を作ってきたのはそういう「ジャンプ」による「デザイン」の蓄積なんだと考えているから。

「どんなデザインをやっているんですか?」という質問に8年たってもまだ答えに窮するのは、そのこと自体が非常に不確実で再現性が低く、非言語的で属人性が高く、恐ろしく汎用性と価値の高い行為だと考えているからだ。まだそのことを正確に説明しうる言葉にすることはできない。8年も経つのに、情けないけど。デザインというのはそういう仕事だと、個人的には思っている。そういう仕事に向かっている人間として、より成長せねばならないと年が明けて強く感じています。

2017年は不断なく成長し変わり続けたい。
しかし言葉にしてみて、やはりまだよく分からない。デザインとは何だろう。

フォークの歯は何本?

フォークの形を想像してみてほしい、そのフォークの歯は何本ある?

よく知られた話ではあるけれど、フォークの歯はもともと3本で(それより前は2本だったし、そのさらに前はあたりまえだけど1本だった。)18世紀にイタリアのナポリで4本になったと言われています。簡単には3本歯のフォークではパスタが食べにくかったために4本歯になったという概要なのですが、詳しくは是非調べてみてください。

4本歯のフォークというのは、パスタを美しく機能的に食べるために進化したものだ。現代イタリア料理の代名詞といってもいい。料理がテーブルウェアを変え、テーブルウェアが人の所作を変える、そしてその所作が体験を変えて、その体験が美しい文化になっていく。私たちが4本歯のフォークから学べることは非常に多い。

私たちデザイナーに必要とされている仕事のフローにおいては、まずこの「3本歯フォークではパスタが食べづらい」「美しくパスタを食べることはできないだろうか?」という洞察と課題を得ることが必要だ。そうしたら「4本歯にする」というソリューションを世界に提供しよう。それから「4本歯でも美しいフォーク」を世界に実装し、「フォーマルなディナーテーブルにパスタを出せる文化」を作る。そうしたら「より美しく美味しいパスタをみんなが世界に提供してくれる」ようになる。そういう風に「目の前の人の課題を解決してあげること」から、世界を良く・美しく・幸せにしていくこと、そういうのが世界におけるデザイナーの役割だと考えている。

私はそういう風に仕事をして生きていきたいと考えている。
そのために(何度でも言うが)ILY.のMISSIONは「DESIGN,for good days.」なんだ。
デザインにはもっとできることがあるはずだ。

デザインの役割について

うだうだと書いてみたけど、結論いまのところ私たちILY.が重要だと考えているデザインの役割について少し整理してみたいと思います。

1.ブランディング
ブランディングというのも少しマジックワードに近いような感じがするけど、私たちにとってのブランディングの定義とは「企業・プロダクト・サービス」と「それに関わる人々の関係性・価値・体験・経験」の「最適化・価値最大化」です。これはますます重要になってくると考えています。その際にデザインが必要な領域はとても広い。

たとえばそれは、収益アップに関わる課題であったりする。
たとえばそれは、経営・製造のコスト削減に関わる課題であったりする。
たとえばそれは、マーケティングの課題に取り組むべき課題であったりする。
たとえばそれは、対象が顧客だったり、社員だったり。それ以外の周辺の人々など多様な課題であったりする。

たとえばその解決には、課題解決の道筋だけが必要だったりする。
たとえばその解決には、トータルのビジュアルシステムが必要だったりする。
たとえばその解決には、ストーリーのテキストが必要だったりする。
たとえばその解決には、映像表現が必要だったりする。
たとえばその解決には、コミュニケーション手段(media)と表現(creative)が必要だったりする。

私たちが「何か」をはじめるのは本当に簡単になった。
新しいビジネス、新しいwebサービス、新しいお店、新しいプロダクト…
それらを始めるのは本当に簡単になった、だけれども簡単になったからこそ、私たちの周りにはたくさんのものがあふれていて、私たちはどれを選べばいいのかわからなくなってきている。
どこでものを買おうか?誰にサービスを依頼しようか?どんな体験をしようか?本当に必要なものは何だ?
選択肢は多様にある。その中で「必要な人に必要なものを届ける」ことは非常に重要な仕事だろう、それの根幹を作るのはブランディングの役目だと考えている。きちんと丁寧に、顧客との関係性やストーリー作りをしなければならない、なぜならばそれは顧客にとって大事な人生の一部なのだから。
スタートは簡単になったが、継続は非常に難しく困難なことだ。持続可能な関係性を構築しよう。
ブランディングとはデザインが必要で、理想的な曲線を実現するための重要な仕事だと考えています。

2.UXのデザイン
これは体験のデザインのことです。ブランディングの一環でもあると考えています。
ただ、ブランディングとはユーザーが「直接プロダクト・サービスに関わっていない時」に力を発揮するものであるのに対し、UXとは「直接プロダクト・サービスに関わっている時間・体験」のことを指すと個人的には考えています。

心地よいだろうか?過剰ではないだろうか?最適だろうか?
より良くできるだろうか?助けになっているだろうか?
自然だろうか?必要なものが必要なところにあるだろうか?

ブランディングとUXがきちんと地続きで設計されているかどうかも非常に重要な指標です。
独立せず、トータルで見て強いか・美しいか・最適か。それらも重要なデザインの仕事です。

3.課題解決のデザイン
私は常々ビジネスの本質とは課題解決だと考えていて、そこにこそデザインの手が必要だと考えています。それらはIDEOのデザインシンキングのような手法だったり、リーン的な手法だったり、現状でもいろんな手法が巷にはあるけれど、それがなぜ必要なのかはあまり理解されていないように思う。

私が考える一つ目の理由は、デザイン的思考とは「リニア」ではなく、点と点を網目状につなぐ有機的なものであること。
私が考える二つ目の理由は、デザイン的思考とは「人間の感情に根ざしたものである」こと。
私が考える三つ目の理由は、デザイン的思考とは「逆算思考である/解像度が高い」こと。

しかし残念ながら、デザイン思考は全ての課題を満遍なく上手く料理できる道具ではない。ごまかさずに言うと、私たちデザイナーが解決できるのは「2者(以上)間の関係性の最適化および価値最大化」だ。いまのところ。
詳しくを文章に整理するには骨が折れるので、興味のある方は飲みに行きましょう。


ILY.ができること・チャレンジしていること

「どんなデザインをやっているんですか?」と尋ねられて答えに窮する私の回答はいつも「デザインの必要なものならなんでもやっています。」です。
これはあながち間違っていないとは思いつつ具体的でないし、デザインという仕事をやっているくせに人に伝わりづらい言い方だなといつも反省しています。ただ、ほんとうになんでもやっているので特にと言われると難しい。
できることの詳細については、ABOUTに詳しく明記しているのでそちらに。

いま私たちがチャレンジしているのは、下記3つです。

1.課題解決ハウツーの構築と個人の能力開発
クライントワークや社内の活動であるLABOを通じて、あらゆる課題解決に必要なハウツーを構築しています。
簡単にいうとデザインシンキングのフレームワークのようなものを目指していますが、私たちの経験からデザインシンキングを活用したソリューションのクオリティについては属人的な要素が非常に多いため「道具の開発」と「道具を使いこなせる能力の開発」を同時に行っています。

2.「ジャンプ」の恣意的コントロールとクオリティの向上
ジャンプについては少し上述しましたが、課題解決のための「ひらめき」のようなものです。
私たちはこれまでのクライアントワークとLABOを通じて、そのジャンプの発動条件をいくつか発見しています。それらにより恣意的にその状況を起こすことができ、その繰り返しによりクオリティを向上させることができると考えています。
「ジャンプ」はよりよいデザインを行うための通過点のようなものですが、それが起こせるか起こせないかは課題解決の品質に大きく関わることが私たちのLABOを通じて分かってきました。
今後は発生とクオリティのコントロールにチャレンジしていき、よい課題解決のために活用していきたいと考えています。

3.実行力の向上
これは単純に「できることを増やす」「クオリティを上げる」という言葉に変わります。
それは思考であったり、情報整理のアウトプットであったり、クリエイティブのアウトプットであったりします。
まだまだ限定的な領域で仕事をしているなと考えているので、専門家の手を借りながらより広範囲へ広げていき、より深く強固な洞察と、不断ない努力により品質の向上を目指していきたい。がんばろう。

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2017年の目標について

いろんなやりたいことがあって、いろんな目標があります。
ILY.の目標は「解決しうる課題のレベルを上げる」です。課題の再定義をしながら、ほんとうに必要な仕事を丁寧にしていきたい。
辻原の経営的な目標は「広げる」です。これまでは基本的にクリエイティブに没入しながら仕事をしてきたけど、今年はマネージメントやディレクションの仕事を多くしなければならないと考えています。そのためにはいろんな方の力を借りなければならないし、いろんな人の力にならなければならない。怖いなあと、でも楽しそうだなあと、そわそわしています。

そして辻原の個人的な目標は「クオリティを追求する」と「婚活」です。
前者は勝手にやりますが、後者はどうしても一人では難しいので、どなたか手伝っていただけると幸甚でございます。

遅ればせながら、本年もどうぞ宜しくお願いいたします。
楽しく充実した、幸せな1年にしましょう。

thank you. I love you!